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初心者でも失敗しない乗馬用品の選び方
キュロット・ブーツ・チャップス・ヘルメット・
初心者セット・グローブ徹底ガイド

乗馬用品の選び方


乗馬を始めるあなたへ ― 「最初の一歩」で迷わないために

「乗馬を始めてみたいけれど、何を揃えればいいのか分からない」 そんな不安を感じたことはありませんか?

実は、乗馬を始めるときに多くの人が最初につまずくのが「乗馬用品選び」なんです。
キュロット(乗馬ズボン)にブーツ、チャップス、ヘルメット…。
名前を聞いただけでは、どれが必要で、どれを選べばいいのか分かりにくいですよね。

でも安心してください。
このガイドでは、初心者が最初にそろえるべき乗馬用品をわかりやすく解説します。
しかも、ただ「この商品が良い」という紹介ではなく、どうしてそのアイテムが必要なのか、
どんな特徴を選ぶと失敗しないのか
を丁寧にお伝えします。

店長の私・山村も、最初は右も左も分からずにクラブの方に聞きながら道具を揃えました。
その中で「これは最初に知っておきたかった!」と思うポイントが、たくさんあります。
だからこそ、あなたには同じ遠回りをしてほしくないのです。

これから紹介する内容は、 「これから乗馬を始めたい」 「体験レッスンを受けて、本格的に道具を揃えたい」
そんなあなたにとっての最初の道しるべになるはずです。

乗馬用品は、あなたの安全を守るだけでなく、 馬と心を通わせるための大切な“橋”のような存在です。
正しい道具を選ぶことで、驚くほど快適に、そして安心して乗馬を楽しむことができます。

それではさっそく、初心者が最初に知っておくべき乗馬用品の選び方を、一緒に見ていきましょう。

乗馬キュロットの選び方

乗馬キュロットは、あなたと馬との一体感を生み出すための重要なウェアです。
普通のズボンと見た目は似ていますが、実は機能面でまったく別物です。


滑り止めと動きやすさが命


キュロットの最大の特徴は、内ももやお尻部分にある「滑り止め(グリップ)」です。
この部分があることで、鞍の上で体が安定し、脚の位置がズレにくくなります。
素材には「合成スエード」や「シリコングリップ」があり、初心者には柔らかくて伸縮性のあるタイプが人気です。


季節ごとの生地選び


夏は通気性の高い薄手の生地、冬は裏起毛で暖かい素材など、季節によって快適さが変わります。
オールシーズン対応タイプを1本持っておくと、どの時期も安心です。


サイズ選びと洗濯のコツ


キュロットは、体にピタッとフィットしてこそ真価を発揮します。
少しきついかなと思うくらいがベストサイズです。
洗濯は裏返してネットに入れることで、グリップ部分の傷みを防げます。




■尻革/フルグリップ、膝革/ニーグリップ、共布の違いについて

乗馬キュロットは鞍に密着する内股・ヒップ部分の生地に尻革/フルグリップ、膝革/ニーグリップ、共布の3種類のタイプがあります。

・尻革/フルグリップ:ヒップから膝の内側にかけて革もしくはシリコングリップが付いたもの
・膝革/ニーグリップ:膝の内側に革もしくはシリコングリップが付いたもの
・共布:膝の内側にキュロットと同じ生地を当てたもの

革もしくはシリコングリップが滑り止めになるので、鞍の上での姿勢を保ちやすくなります。
一般的に最も滑りにくい尻革/フルグリップタイプを選ぶ方が多いですが、デザインや履き心地、乗り心地などの好みでお選び下さい。
障害をジャンプする時には膝で身体を支えますので、障害飛越では膝革/ニーグリップを好む方も多いです。

乗馬キュロット 尻革 ヒザ革 共布

■革とシリコングリップの違いについて

尻革・膝革は昔ながらのタイプで、革部分が起毛した合皮スエードで滑り止め効果があります。
フルグリップ・ニーグリップは近年登場した新しいタイプで、生地にグリップ力の強いシリコンがプリントされています。
シリコンの模様や面積によりグリップ力の強弱が変わってきます。
革タイプは厚手でごわつくので、よく伸びてフィット感が良いシリコンタイプが人気です。

乗馬キュロット ブリーチ ジョッパーズ

■足首のタイプについて

乗馬キュロットは足首周りをマジックテープで留めるタイプと、伸縮生地のタイプがあります。
マジックテープは昔ながらのタイプで、伸縮生地は近年登場した新しいタイプです。
マジックテープの部分は厚手でごわつくので、よく伸びてフィット感が良い伸縮生地タイプが人気です。

乗馬キュロット ブリーチ ジョッパーズ

■カラーについて

乗馬キュロットは鞍と接するヒップや内股の部分に洗濯しても落ちにくい黒いシミが徐々についていきます。ブラックのカラーですとこの黒いシミがほとんど目立ちません。
なお、砂ぼこり等の明るい色の汚れはブラックですと逆に目立ってしまいますが、洗濯で簡単に落ちる汚れです。
ベージュやストーン等の明るいカラーですと砂ぼこり等の明るい色の汚れは目立ちにくいです。
また公式な大会ですと白キュロットの着用が規定されていることが多いので注意してください。
※大会によって規定は異なりますので、大会の運営事務局へご確認願います。

■編物(ニット)と織物の違いについて

キュロットの生地には編物と織物があります。

・織物は糸が縦横に交差した生地で出来ており、非常に丈夫で形状も保ちやすい生地です。
・編物は糸のループ(編み目)が連結した生地で出来ており、非常に伸びやすく肌触りが柔らかい生地です。
※素材の違いによっても丈夫さ・肌触り・伸縮性は変わってきます。

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ブーツの選び方

ブーツは、安全性と姿勢を支えるための必需品です。
足首をしっかり固定してくれるため、馬上でのバランスが格段に安定します。


ロングブーツかショートブーツか


乗馬クラブでは初心者に「ショートブーツ+チャップス」の組み合わせが人気です。
足首の動きが柔らかく、履きやすいからです。
一方、ロングブーツは本格的な競技や試験を目指す人におすすめ。
見た目もスタイリッシュで、脚のラインを美しく見せてくれます。


素材とお手入れ


素材は大きく分けて革・合皮・ゴム製の3種類。
革は高級感があり耐久性に優れていますが、雨の日は注意が必要です。
初心者は、扱いやすく価格も手頃な合皮ブーツから始めると良いでしょう。
使用後はブラシで泥を落とし、風通しの良い場所で乾かすのがポイントです。





■ロングブーツとショートブーツ
乗馬では大きく分けて、ロングブーツで騎乗するスタイル、ショートブーツにチャップスをつけて騎乗するスタイル、ショートブーツだけで騎乗するスタイルがあります。

・ロングブーツ
乗馬用のロングブーツは長靴(ちょうか)、チョーカー、ジョッキーブーツとも呼ばれます。ラバー製のものはエクイアとも呼ばれます。
見た目がスタイリッシュで、つま先からヒザ下まで一体型で覆っているので特に雨の日は泥などが入りにくく快適ですが、足首が固定されるので慣れるまでは歩きにくく脱ぎ履きが少し面倒です。
※ブーツジャックやブーツプルがあると脱ぎ履きがやりやすくなります。

・ショートブーツ+チャップス
乗馬用のショートブーツはジョッパーズブーツ、パドックブーツ、チョッパーブーツとも呼ばれます。
チャップスとはキュロットの上から着用し、足首からふくらはぎまでを覆うものです。見た目がロングブーツのような形状のチャップスはゲートルとも呼ばれます
足首が自由に動かせ脱ぎ履きもしやすく、またチャップスは伸縮性があるので足の形にピッタリとフィットしやすいです。
またスエード生地のチャップですと滑り止めの効果があり、姿勢を安定させやすくなります。
チャップスはコンパクトに収納できるので、ショートブーツを履いて乗馬クラブまで行けば荷物も少なくてすみます。

ただし、正式な大会ではショートブーツにチャップスをつけたスタイルでの出場を認めていないことが多いので注意してください。
※大会によって規定は異なりますので、大会の運営事務局へご確認願います。

なお、ショートブーツとチャップスは同じ色に揃えることが多いです。

乗馬用ブーツ ロングブーツ ショートブーツ&チャップス ショートブーツのみ

■本革製・合皮製・ラバー製の違い

乗馬ブーツの素材には本革・合皮・ラバーがあります。

・本革は丈夫できちんとメンテナンスを行えば長く履き続けることが出来ます。また履き続けることで足の形に合わせて革が伸びていくので、足の形にピッタリとフィットするようになります。
・合皮は見た目が革のような素材で出来ており、価格も比較的安めです。素材の特性上、徐々に劣化していきます。
また合皮にはPUとPVCがあります。PUは見た目や質感が革に近い素材で、PVCはより丈夫で長持ちする素材です。
・ラバーは非常に丈夫で長持ちします。防水素材ですので雨の日の騎乗に向いており、また外面を水洗い出来るのでメンテナンスも簡単です。
ラバー製のロングブーツ(エクイア)は後ろ側にファスナーが無く上から足を入れる履き方になりますので、足にピッタリとフィットさせることは難しいです。特に足首周りに余裕が出来やすいです。

正式な大会では本革製の黒色のブーツ着用を規定していることが多いので注意してください。また馬場馬術の場合は靴紐が付いているタイプもNGの場合があります。
※大会によって規定は異なりますので、大会の運営事務局へご確認願います。

乗馬用ブーツ 本革 合皮 ラバー

■安全靴タイプ

乗馬では足を馬に踏まれることによるケガが比較的多いです。
このような事故を防ぐため、つま先に金属製のカバーを内蔵した安全靴タイプのブーツもあります。

■ブーツ用アクセサリー

下記のようなブーツ用アクセサリーがあるとより便利です。
・ブーツの型崩れを防ぐブーツキーパー
特にロングブーツは型崩れしやすいので、保管時にはブーツキーパーを入れることをお勧めします。
・ブーツを脱ぐ時にあると便利なブーツジャック

ブーツジャック ブーツプル ブーツキーパー

チャップスの選び方

チャップスは、ショートブーツと組み合わせて使う補助的な防護具です。
ふくらはぎから膝下を守り、滑りにくくする役割があります。
長時間のレッスンでも快適さを保つ重要なアイテムです。


素材による違い


スエード調のものは柔らかく肌当たりが良く、初心者にぴったり。
本革製は耐久性と見た目の美しさが魅力ですが、やや硬めです。
通気性の高いメッシュタイプは夏の練習におすすめです。


サイズ選びとフィット感


チャップスは「ふくらはぎの太さ」に合わせて選びましょう。
大きすぎるとズレ、小さすぎると痛みの原因になります。
ファスナータイプは脱ぎ履きがしやすく、毎日の練習にも便利です。






チャップスとはキュロットの上から着用し、足首からふくらはぎまでを覆うものです。ハーフチャップス、レッグチャップス、チョッパーとも呼ばれます。
また見た目がロングブーツのような形状のチャップスはゲートルとも呼ばれます
チャップスは伸縮しやすい構造になっており、足にピッタリとフィットさせることが出来ます。
なお、正式な大会ではショートブーツにチャップスをつけたスタイルでの出場を認めていないことが多いので注意してください。
※大会によって規定は異なりますので、大会の運営事務局へご確認願います。

■スエード素材のチャップスについて

スエードは表面を起毛加工した素材です。滑りにくくなるので姿勢を保ちやすいのですが、砂や泥で汚れた場合はブラシ等で掃除する必要があるのでやや面倒です。
なお、丸洗いが出来る合皮製スエードのチャップスもあります。

■本革と合皮について

・本革は丈夫できちんとメンテナンスを行えば長く履き続けることが出来ます。また履き続けることで足の形に合わせて革が伸びていくので、足の形にピッタリとフィットするようになります。
・合皮は見た目が革のような素材で出来ており、価格も比較的安めです。素材の特性上、徐々に劣化していきます。

■ゲートルについて
ゲートルとはロングブーツのようなスタイルをしたチャップスです。
通常のチャップスに比べて伸縮性が少なめですが、ロングブーツのようにスタイリッシュな見た目を楽しむことが出来ます。

■ファスナーについて
チャップスは足元につけるので砂や泥で汚れやすく、異物がファスナーに入り込んで壊れてしまうことがあります。
騎乗後にチャップスが汚れてしまった場合はファスナー部分の汚れを落としてから脱ぐとより長持ちします。
また、ファスナー部分に異物が入らないよう、上からカバーする構造のチャップスもあります。

乗馬用チャップス 本革スエード 合皮スエード ゲートル

ヘルメットの選び方

ヘルメットは、何よりも命を守るための道具です。
乗馬は安全なスポーツですが、予期せぬ落馬のリスクは常にあります。
だからこそ、しっかりしたヘルメット選びが欠かせません。


フィット感とサイズの測り方


ヘルメットは「頭の形」に合うことが最も大切です。
試着した際に前後左右にグラつかず、少し圧を感じる程度が理想。
きつすぎず、緩すぎず、「ピタッと包まれる」感覚を意識してください。


安全基準をチェック


乗馬用ヘルメットには「VG1」や「CE」などの安全基準があります。
これらのマークがある製品は、国際的な安全テストをクリアした証です。
安さだけで選ばず、しっかりとした認証付きのものを選びましょう。


デザインと通気性も大事

最近は軽量でおしゃれなモデルも増えています。 特に夏場は通気孔付きタイプがおすすめ。 汗がこもりにくく、快適にレッスンを受けられます。





■ベルベット素材と硬質プラスチック素材

伝統的なベルベット素材のヘルメットと、近年新しくつくられた硬質プラスチック素材のヘルメットがあります。

乗馬用ヘルメット ベルベット 硬質プラスチック

■ダイヤルサイズ調整とウレタン追加での微調整について

ダイヤル調整タイプは59cm〜61cmというように調整をすることが出来るのでサイズ合わせがやりやすいです。
硬質プラスチック素材のヘルメットに多いタイプです。

ダイヤル調整が無いタイプは基本的に1cmずつサイズが異なります。
微妙な調整は内部にウレタンを追加して調整します。

なお、明らかにサイズが合わない場合は危険ですので必ずサイズ交換をするようにしてください。

乗馬用ヘルメット ダイヤルサイズ調整 ウレタン追加微調整

■通気孔について

通気孔付きのヘルメットは蒸れにくく、特に夏場は快適になります。
硬質プラスチック素材のヘルメットには通気孔付きが多いです。

■あご紐について

あご紐はハーネスとも呼ばれます。ヘルメットと接続している箇所が3箇所の場合は3点固定式、4箇所の場合は4点固定式といいます。
公式な大会ですと3点以上で固定されているものを着用するよう規定されていることが多いので注意してください。
※大会によって規定は異なりますので、大会の運営事務局へご確認願います。

■安全上の注意

一度衝撃を受けると内部の衝撃吸収材が変形しますので安全性が低下します。強い衝撃を受けた場合は外観上変化がなくとも新品に交換するようにして下さい。
経年劣化により安全性が低下する場合がありますので、5年を目安に新品に交換するようにして下さい。
事故の原因となりますので、正しいサイズ・正しい装着方法でご利用ください。またヘルメットは頭部への衝撃を軽減しますが完全に事故を防ぐものではありません。

初心者セットの選び方

これから乗馬を始めるなら、最初は「初心者セット」が断然お得です。
必要なものを一式まとめて手に入れることができ、サイズ感や雰囲気をつかむのに最適です。


4点セット・6点セットとは?


一般的に、

  • 4点セット:キュロット・ブーツ・グローブ・ヘルメット
  • 6点セット:上記+チャップス・ベルト などが含まれます。

このセットさえあれば、ほとんどの乗馬クラブでそのままレッスンに参加できます。


セット購入のメリット


単品で揃えるよりも価格が抑えられ、統一感のあるスタイルで始められます。
また、初心者に合ったサイズ感や柔らかさで構成されているため、安心して使えます。
初めてのあなたには、ジョセスの「スターターセット」がおすすめです。 届いたその日から、すぐにクラブで使えます。





グローブの選び方

「手袋なんてどれでも同じじゃないの?」 そう思う方もいますが、
乗馬においてグローブは非常に重要な安全装備です。


グリップと安全性


手綱をしっかり握るために、滑りにくく薄手で柔軟な素材を選びましょう。
特に初心者は、手綱が手の中で滑ることでバランスを崩すことがあるため、
グローブは手首までしっかりフィットするものがおすすめです。


季節で選ぶ


夏は通気性のあるメッシュ素材、冬は防寒性の高い裏起毛タイプ。
気温や湿度によって快適さが変わるので、季節に合わせて2種類用意しておくと安心です。


サイズとお手入れ


手のひらの厚みや指の長さに合うサイズを選びましょう。
洗濯の際は中性洗剤でやさしく手洗いし、陰干しすることで長持ちします。





まとめ

乗馬用品を選ぶことは、単なる“買い物”ではありません。

あなたが馬と出会い、信頼関係を築くための第一歩です。

最初は分からないことだらけでも大丈夫。
正しい知識と、あなたに合った用品があれば、
乗馬はもっと楽しく、もっと美しい時間になります。

ぜひ、この記事をきっかけに「自分にぴったりの一式」を見つけてください。
そして、馬との穏やかで優雅な時間を、あなた自身の手で育てていきましょう。