乗馬に効く!筋力トレーニング

乗馬に効く!筋力トレーニング

馬に乗っているとき、私たちは身体の中のどの筋肉を使っているのでしょう。

レッスンの後にびりびりと筋肉痛になって初めて、「あ、ここを使ってたんだな」と気づくこともありますよね。意識して身体を動かすというのはなかなか難しいものです。

また、乗馬は体力、運動神経などにおいても求められる点が他のスポーツとは異なる面があります。そもそも馬に乗るとはどういうことなのか、自分の身体をどのように使うべきなのかをしっかり理解したうえで馬に跨れば、より良いパフォーマンスができるようになるかも!

 

この投稿をInstagramで見る

 

Simon Delestre(@simondelestre)がシェアした投稿

まず、乗馬に体力は重要?運動神経は?

乗馬は馬の動きに合わせて全身をくまなく動かす有酸素運動といえます。

はたからみているとかなり強度の高いハードなスポーツに思えますよね。

しかし、乗馬を楽しんでいる人にはシニア層も多く、さらにはオリンピックや世界選手権の上位に居並ぶライダーを見てみると、平均年齢はおよそ40代前後。

体力に自信のある若い年齢の層が必ずしも有利、というわけではないのです。

1964年の東京五輪を含めた3度のオリンピックに出場し、日本を代表する馬術選手・法華津寛選手は2021年の東京五輪に出場意思表明をされており、代表入りが叶った場合はなんと80歳での出場。五輪最年長記録を更新するとのこと!

そして、馬術競技はオリンピック競技では唯一、男女の区別なく同じステージで競います。

女性ライダーが表彰台をワン、ツー、スリーと飾ることも決して珍しくないのです。

 

この投稿をInstagramで見る

 

In2strides(@in2strides)がシェアした投稿

運動神経についても、陸上競技や水泳のように特別重要視されるものではありません。

乗馬において大切な力は、パートナーである馬のささやかな変化に気づく観察眼や、どんな動きにも対応する柔軟さです。

自分の体力や能力だけでなく、命を持った動物とともに高みを目指すスポーツは乗馬だけ。

その特性をしっかりと理解し、精神的に成熟した選手のほうがよりよい成績を残せる傾向があるようです。

とはいえ、大きな馬の動きについていくことができる基本的な身体づくりは大切です!

レッスンの後半でどうしても体力がついていかずバテてしまう・・。という方は、まずは一日30分程度のウォーキング、慣れてきたら軽めのランニングを行うと持久力が身につきます。エスカレーターより階段、一駅多めに歩いてみる、など、ご自身の生活に気軽に取り入れられる運動を取り入れて、乗馬への体力を底上げしてみましょう!

乗馬に筋肉って必要なの?

乗馬で必要な筋肉は、手綱を引く強い腕の力? 馬のお腹に強い脚扶助を入れる力?

確かに大きな馬を制御するうえである程度の筋力は必要ですが、強すぎる力を使うことは馬にとっても人にとっても良い結果を生み出すことはほとんどないといっていいでしょう。

一般的に乗馬や馬術は、騎手が馬に働きかける力が少なければ少ないほど良いとされています。

上の動画でご紹介するトップライダーの動きを見てみてください。

ドイツを代表する馬場馬術選手・Jessica von Bredow-Werndl騎手と愛馬・Dalera BBの演技です。

ほとんど何もしていないように見えるにも関わらず(そんなことは決してないのですが)、馬は鮮やかな演技を披露していますよね。

そもそも人が筋力にものを言わせたところで相手は体重500㎏の動物。勝ち目はありません。

力だけでなく、重心の移動やバランスなどを繊細に調整することで馬に意思を伝えるのです。

そのためには、馬上では常に正しい騎乗姿勢を保つことが必要不可欠です。 姿勢が崩れている状態では思うような指示を伝えることはできませんよね。そうなるとどうしても強い力を使い、足りない扶助を無理やりカバーしてしまうような事態が起きやすくなります。

ここで大切になってくる身体の部位が「体幹」です。

最近ダイエットや筋トレでよく聞くこのワード、どういった筋肉のことを指すのでしょうか。

体幹ってどんな筋肉?

体幹(インナーマッスル)とは、いわば人間の胴体、身体の中の内臓の位置を支える筋肉群のこと。

胸、背中、腹筋、腰回り、股関節周り、お尻などが体幹を構成する要素です。

体幹がしっかりしていると、

・身体全体の安定性が高まり、バランスをとりやすくなる

・大きな筋肉が活性化することでスタミナが上がり、疲れにくくなる

・手足などの身体の末端の力を効率よく使えるようになる

といったメリットが期待できます。

騎乗姿勢を整え、拳や脚の扶助を「正しい位置」に、「必要な量の力」で馬に与えるためには、身体の土台である体幹をトレーニングしておく必要があることが分かりますね。

実践!自宅でできる体幹トレーニング

コロナウイルスが世界中で猛威を振るい始めてはや一年が過ぎました。

このご時世ではなかなかスポーツクラブに継続して通うのも難しいですよね。

今回はおうちでも気軽にできる、自重(自分の体重による負荷)のみでおこなう体幹トレーニングをご紹介します。アップテンポな音楽に乗って、気持ちよく汗を流してみましょう。

トレーニングを行う前後に、こちらの記事のストレッチもぜひ行ってみてください。

関節の可動域を広げておくことでケガを防止し、より効果的なトレーニングが期待できます。

(前回のストレッチ記事リンク)

【プランク】

普通の筋トレでは刺激がしにくいお腹、背中の内側の筋肉(インナーマッスル)を鍛えます。

騎乗姿勢を整えるうえで最も重要な筋肉のひとつです。

最初のうちはどうしても息が止まりがち。ゆっくりと呼吸を続けるように意識しましょう。

物足りない!という方はこちらがおススメ!

【スクワット】

股関節・お尻回り・内ももに効きます!ここを鍛えると下半身が安定してきますよ。

軽速歩の動きに似ていませんか?馬上での立つ・座るがスムーズになります。

しゃかしゃか速く回数を重ねるより、ゆっくり真下に腰を落とすようにすると効果大!

さらに強度が欲しい方はコチラ!

【ランジ】

もも裏(ハムストリングス)・内もも(内転筋群)・お尻(大殿筋)を鍛えます。

下半身を安定させ、馬体を膝に頼らず脚全体でホールドすることができるようになります。

背中を丸めず、上半身はまっすぐ保ったまま行うのがポイントです。

膝を曲げた際につま先よりも前に出てしまうと膝に負荷が強くかかってしまうため、膝の位置はかならずつま先よりも後ろに置くように心がけましょう!

【背筋メニュー】

背中の筋肉を整えると拳の扶助にとても役立ちます。肩甲骨、背中を広く使うことで腕の力に頼ることなく手綱を操作できるようになりますよ。姿勢の維持にも大きく貢献します。

まとめ

乗馬、馬術競技では、

・体力や運動神経は特別優れたものが必要なわけではない

・身体の土台である「体幹」を鍛えて姿勢やバランスを整え、扶助を効率的に行うことが重要

であることがお分かりいただけたかと思います。

拳、脚を正しい位置にすとんと置き、さらに自由に操るためには体幹のトレーニングが不可欠です。

毎日すべてをこなす必要は決してありません。 筋力トレーニングで一番大切なのは「継続すること」! 少ない強度から始めて、無理をせず、その時のご自身の体調や乗馬の課題にあったトレーニングを組み合わせて行ってみてくださいね。

乗馬がもたらす身体への良い効果

乗馬は大きな馬とともに全身をくまなく使う有酸素運動。

人間の脂肪は運動を始めて20~30分を経過したころから効果的に燃焼されるようになるため、1回のレッスンが一般的に45分程度の乗馬は理想的な運動メニューといえるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました