日本で暮らす馬の種類・品種・在来馬について

日本で暮らす馬の種類・品種・在来馬について

日本に暮らす、さまざまな馬たち

日本で暮らす馬の種類・品種・在来馬について

「馬」と言われてその姿を思い浮かべるとき、あなたはどんな馬を想像しますか?
人々の歓声を浴びながら競馬場を駆け抜けるサラブレッドや、ふれあい牧場などで見かける小柄で愛らしいポニーが浮かぶ方が多いのではないでしょうか。実は日本には、今挙げた馬たちだけではないさまざまな種類の馬が暮らしているんです。この記事では日本各地にいる馬の種類や特徴をご紹介していきます。

馬には国や文化、学術の目的などによって、なんと200以上の分類の方法があります。

馬の大きさ

日本では、馬は一般的に「軽種」「重種」「中間種」「在来種」の4種に分けられます。
今回はそこにもうひとつ、「ポニー種」をあわせてみていきましょう。

馬の種類 ポニー種

ポニーとは、実は特定の馬の品種を指す名前ではありません。

ポニーといえば、小さい馬の品種ってイメージがあったけど違うんだね!

体高(地上から肩の一番上の、「き甲:きこう」までの高さ)が147cm以下である馬の総称で、
この条件を満たした馬はすべてポニーと呼ばれるのです。

体重はおおよそ200㎏。おとなしい性格の馬が多く、小さな身体ながらもがっしりとした脚を持っているので耐久性に優れているのが特徴です。

賢く温厚な気性から牧場や乗馬クラブのマスコット的な存在で愛されており、子供や小柄な女性の乗用馬としても活躍しています。
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馬の品種 軽種馬

軽種の馬は動きが機敏であるのが特徴で、主に乗馬や競走馬として扱われる品種です。

【サラブレッド】
数ある馬の種類の中で最も聞き馴染みのある名前のひとつではないでしょうか。
サラブレッドは競走用の馬として、人の手によって完全に血統を管理された種類です。

すらりと伸びた長い脚に小さな頭、均整のとれた身体つきは美しく、
「走る芸術品」と賛辞されることも。
その反面「速く走ること」を第一の目的に作られているために、細い脚は怪我をしやすく、気性はとてもデリケートで、ほんの小さな音や物事にパニックになることも。防御反応として攻撃的な一面を見せる場合もあります。

記録によると、サラブレッドが日本に初めて輸入されたのは明治時代初期。アメリカから他の種とともに数十頭の馬たちが渡ってきました。以降イギリスなどヨーロッパからも多く輸入され、日本でのサラブレッド生産・競馬文化が花開いたとされています。

現在、日本では競走馬を引退したサラブレッドが、全国の乗馬クラブで多く乗用馬に転用されています。
応援していたあの競走馬にもしかしたら出会えるかもしれませんよ。

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馬の品種 中間種馬

中間種は、軽種とのちほどご紹介する大型の重種とを掛け合わせた品種です。
軽種馬がもつ動きの軽快さと、重種馬の穏やかな気性やしっかりとした体格を合わせて備えており、乗りやすい馬の種類といわれています。

重種×サラブレッド、ポニー×重種など、掛け合わせる馬によって毛色や大きさはさまざまです。
日本の乗用馬のほとんどは中間種であり、馬術競技馬としても好んで用いられます。

乗馬クラブでお世話になる馬たちのそれぞれのルーツを調べてみるのも、馬との親しみ方のひとつかもしれませんね。

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馬の品種 重種馬

体格の大きい重種馬は明治時代以降に海外から導入され、北海道の開拓や軍馬、農作業の労働力として活躍しました。この項目では4種の重種馬を紹介します。

・ばんえい種
・ペルシュロン種
・ブルトン種
・ベルジャン・ドラフト種

【輓曳(ばんえい)種】
北海道帯広市で主催されている地方競馬「ばんえい競馬」世界に例をみないこの地域だけの独特なレースです。


体重1トンを超える大型の馬が騎手の乗ったそりを引き、勢いよく鼻息を吐きながら障害と直線で構成されたコースを競う姿は大迫力です。

ばんえい競馬で使用されている馬たちの総称です。主にヨーロッパ原産の重種・ペルシュロン種、ブルトン種、ベルジャン・ドラフト種を混血し生産されています。

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・ペルシュロン種
フランス北西部のノルマンディー・ペルシュ地方原産の品種。
性格は温順で我慢づよく力持ち。大きくも優美な身体つきで、毛色は芦毛や青毛が多くみられます。 体高は160~170cm、大きな馬はなんと2mを超えるものも!
ばんえい競馬史上最高獲得賞金額を誇る名馬キンタローもペルシュロンの血を濃く受け継いでいます。

・ブルトン種
フランス北西部・ブルターニュ地方原産の品種。
体高150~160cm、体重は800kgほど。 毛色は栗毛や糟毛が多い種類です。
ブルターニュ地方の在来馬にペルシュロンなどほかの重種を掛け合わせています。
頑丈で筋肉質な身体を持ち、短い頸とがっしりとした胴回りが特徴です。

・ベルジャン・ドラフト種
ブラバントとも呼ばれるこの馬は、ベルギー・ブラバント地方原産の古い品種です。
体高は170cm前後、体重は900㎏ほど。丸みのある身体つきはほかの重種と比べてコンパクトにまとまって見えますが、この品種はとても大柄で、世界で最も大きい馬(体高210cm)、最も重い馬(1451kg)の記録保持者はどちらもこのベルジャン種です。

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重種場 大型馬の活躍【馬般文化】

【東北地方の馬搬文化】
岩手県遠野市では、山から伐り出した木材を機械の力に頼らず、馬と人が協力して麓まで引き下ろす技術
「馬搬・地駄曳(じだび)き」が継承されています。

何メートルもある丸太を特製のソリに乗せ、足場が不安定な山道から滑り落ちないように
人馬が息を合わせながら運ぶ非常に高度な技です。
担い手の馬は先ほどご紹介したフランス原産のペルシュロン種が主に活躍しています。

遠野は古くから大型馬の産地として知られており、したがって馬搬も盛んな地域でした。農業の機械化が進んだ昭和後期から衰退が進み、一度は廃れかけた馬搬文化ですが、2010年に岩手県出身の岩間敬さんが
遠野馬搬振興会」を立ち上げたことで、継承の道が再び開かれることになりました。

馬1

東北の遠野といえば馬の祭られている有名な神社や、馬を愛し馬と結婚した伝説「オシラサマ」など馬と深い関りがある地域だね!

 

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在来種馬

馬の大きさ

在来馬は比較的小さめ

日本在来馬(和種馬)とは、外来種の馬とほとんど交雑することなく、日本固有の特徴を残した馬の総称です。

起源は古く、新石器時代の遺跡から馬の骨や歯の化石が出土しています。
しかしこれらの馬たちはその後絶滅したと考えられており、それ以降の馬の伝播には諸説ありますが、
現在の定説では古墳時代に朝鮮半島から渡来した蒙古系の小型馬が、人の交易により日本各地に広がったとされています。明治以降、国の軍馬増強策のために外来種との混血が進み、純粋な在来馬の多くが消滅しました。
中・大型在来馬の南部馬や三春駒、三河馬なども近代化の過程で惜しくも絶滅の道を歩みました。

現存する日本在来馬は8種類どの種も一様に体高が小さく、ポニー種に分類されます。

[中型種・体高約130cm]
・北海道和種(北海道)
別名「道産子:どさんこ」小柄ながらも北海道の厳しい気候に耐えられる頑丈な身体を持ちます。
日本在来馬の約7割を占めています。

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・木曽馬:きそうま(長野県・岐阜県)
唯一の本州の在来種。平安時代から江戸時代にかけて武士の馬として用いられました。
時代絵巻や浮世絵に登場する馬のモデルは木曽馬といわれています。

・御崎馬:みさきうま(宮崎県都井岬)
古い品種の馬によくみられる鰻線(まんせん・背中に現れる色の濃い線)と黒い足首が特徴。
斜面が多い岬に生息するため後躯が発達しています。ハーレムをつくり生活します。

[小型種・体高115cm]
・野間馬:のまうま(愛媛県今治市)
温和な性格で賢く、江戸時代には農耕馬として用いられましたが一時は絶滅の危機に。
現在は優しい性格を活かしてホースセラピーなどで活躍しています。

・トカラ馬:とからうま
在来馬で最も小さい品種。暑さに強く、サトウキビ絞りや荷物の運搬に用いられました。

・宮古馬:みやこうま(沖縄県宮古島)
性格は穏やかで人懐っこく、粗食や重労働に耐えることができます。
蹄が大きいため、粒の細かいサンゴ砂の宮古島での労働に適していました。
琉球王朝では宮古馬が競馬行事に用いられていた記録が残されています。

・与那国馬:よなぐにうま(沖縄県与那国島)
「ウブガイ」とよばれる与那国島特有の頭絡や、耳に切り込みをいれて馬を区別する「耳印」など独特な文化が育まれました。 現在は乗馬としても利用されています。

[中間種・体高約120cm]
・対州馬:たいしゅうば、たいしゅううま(長崎県対馬)
対馬の急峻な地形にも対応できる頑丈な足腰を備えています。働き手として人々に大切に扱われ、西洋種との交雑化から意識的に守られました。

 

どの在来馬も最盛期に比べ頭数が非常に減少しており、各地の保存会によって種の維持・保存に多くの努力が注がれているのが現状です。

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まとめ

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このように、日本各地には大型~小型までさまざまな姿かたちや個性を備えた馬たちが暮らしています。

馬の働き先が大きく減った現在では、観光資源として用いられている品種も多くあります。応援の意味を込めて、それぞれの地域や歴史に馴染みながら人々と生活をする馬たちを訪ねる旅をするのも素敵かもしれませんね。

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